(ご注意)ご利用には利用申請が必要です。初回、ご利用時には、以下の説明をお読みください。
尚、申請から利用開始までには数日間を要する場合があることをご容赦ください。
遺伝学的検査委員会では、バリアントのアノテーションを誰でも簡単に行えるようツールの開発を行ってきました。最小限の情報から病的意義解釈に必要最低限の情報を付与できるアノテーション・ツールの試作版(VAT)を開発し、2024年6月に利用者を制限したプレリリースを行ったところ、初学者から熟練者まで、幅広く利用できる有用性の高いツールとして高く評価していただきました。
今後は、少しでも多くの皆様に利用していただき、さらに改良していくため 、学術集会などでも本ツールをテーマとしたワークショップなどを予定しております。学会員の方をはじめ、医療従事者であれば申請を行えばだれでも利用できるようになります。詳細は開発を担当した広島大学病院の遺伝子診療科のホームページをご覧ください。
遺伝子診療を行う場合、避けては通れないのが、バリアントにどの様な意義があるのか解釈するためのアノテーションです。 通常、バリアントのアノテーションは公共データベースの情報を収集し病的意義を調べますが、病的意義を確定させるには非常に多くのデータベースの情報が必要になります。 アノテーションを始めたばかりの初学者にとってはハードルが高く、熟練者であっても相応の時間を要します。
また遺伝医療の普及に伴い、多遺伝子パネル検査(MGPT)やがんゲノムプロファイリング(CGP)検査などを扱う施設の場合、複数症例で多数のアノテーションを行う必要があったり、VUSの解釈については、将来修正される可能性があるため継続的なアップデートが推奨されており、対象となるVUSの数は増えるばかりで、遺伝医療の専門家の負担は増加の一途を辿っています。
そこで、日本遺伝カウンセリング学会 遺伝学的検査委員会の監修の下、広島大学病院遺伝子診療科の開発チームがバリアント・アノテーションを効率よく行うことができる専用のアプリケーションとして「バリアント・アノテーション・ツール(VAT)」を開発しています。現在、定期的な修正を必要とする「試作版」であるため、広島大学内のサーバに設置している都合上、外部からの利用にはサーバアクセスのための簡単な手続きが必要となりますので、下記の手順に従って申請手続きをお願い致します。
利用開始までの手順の概略:
1)URL(またはQRコード)からアクセスし、申請依頼フォームに必要事項を入力
2)WEBアプリケーションにアクセスするために必要な情報を登録(中原輝@広大)
3)アクセス可能になったら、アカウントを作成し利用開始
1)申請依頼フォームに必要事項を入力
2)VATを広島大学内のサーバに設置しているため、外部からの利用には申請が必要です。メールなどで担当者(広島大学病院 遺伝子診療科 中原輝)とやり取りを行い、VATにアクセスするために必要な情報を収集。
3)アクセス可能になったらこちらのツールのサイトにアクセス、アカウントを作成し利用開始していただきます。尚、利用手続きがまだの場合はツールのサイトが表示されません
1)プロテイン表記のみの情報からだと、考えられる変異が複数通り存在するなどの問題があるため、限りなく不変の情報であるゲノム座標(g.)に変換してアノテーションを行う。
2)アノテーションには、以下の公共データベースの情報を収集し病的意義を調べる。解析に使用するツール:TransVar・VEP・ANNOVAR・InterVar・OncoKB API 、解析に使用するデータベース:ClinVar・jMorp (ToMMo) ・gnomAD
3)リスト化された複数のバリアントを、一回の操作でアノテーションすることが可能。
取得される主な情報は以下の通りです。
<作成グループ>
檜井孝夫1)8),久保祐二2)3)8),倉橋浩樹4)8),松尾真理3)8),山田 崇弘5)8), 佐村 修6),中山 智祥7)8)
1)広島大学病院 遺伝子診療科
2)TOPPANホールディングス株式会社 総合研究所
3)東京女子医科大学遺伝子医療センターゲノム診療科
4)藤田医科大学 医科学研究センター・分子遺伝学研究部門
5)北海道大学病院 臨床遺伝子診療部
6)東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座
7)日本大学医学部 病態病理学系臨床検査医学分野
8)日本遺伝カウンセリング学会遺伝学的検査委員会 「遺伝学的検査結果のアノテーションの標準化のためのツール作成グループ」
2024/08/01